1month honey

すこしでも
惚れかけた自分が
馬鹿みたいで情けなくて
悔しかった。

平然を装って
へえ、と一言返した私に
リュウジは続けた。

「遊んでたりしても
 最後に行き着く場所っていうか
 帰るところっていうか…

 あいつといると
 やっぱ落ち着くんだよな。」


そう言うリュウジは
優しく笑っていた。

きっと彼女のことを
大切に思っているんだろうな…
いや、それなら
こんなことしないだろ。

困惑し
複雑な気持ちになっていく私。

チャラ男の気持ちなんて
わからないし
わかりたくもない。

そう思う私は
まるですねた子供のようだと
自分でも感じていた。

私、リュウジに
惚れたんだ。

改めて実感させられた
そんな一瞬だった。

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