1month honey
すこし落ち着いてから
意を決して
電話をかけ直した。
呼び出し音が
鼓膜を振動させる。
そのたびに
心の震えは
大きくなっていた。
五回目の呼び出し音。
その途中
突然途切れた呼び出し音。
次に聞こえたのは
相変わらずヘラヘラと笑う
リュウジの声。
「寝てた?」
久しぶりの電話の第一声。
軽く笑うリュウジは
変わっていない。
私の気持ちなんて
何も知らないんだろうな。
心の中の奥の方が
温かくなって
くすぐったかった。
「うん
寝てた。」
「そっか
ごめん。」
「いいよ。
なしたの?」
「今迎えに行くから
準備しといて。」