1month honey

しばらくして
車は止まった。

周りは真っ暗で
何も見えない。


ドアを開けると
波の音と
微かな潮の香りが
鼻先をくすぐる。

冬の夜
季節外れの海は
寂しそうに揺れていた。


ここ数日
暖かい日が続いたからか
雪は溶けていた。

その代わり
地面の土は水分を含んで
泥と化していた。

ぐちゃぐちゃな土の上を
手を繋いで歩いた。
すこしだけ
泥道に感謝。

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