コレクション


ある日照城はコンビニで飯を買い、お気に入りの原チャリでアパートに帰っていた。


今日はツナマヨのおにぎりとグリーンサラダ。照城の中でこれらは定番中の定番だ。


アパートに着き、いつもの場所に原付を停める。


…あっ…ガソリンがあまり無いな…。


まいっか…。明日にでも注ぎに行くか…。


照城はガソリンメーターを見ながらシートを開け、コンビニで買った食べ物とシートの中に転がっていた口紅を取った。


階段を上がる…。



照城「うわっ!」


?「…」


照城「あっ…。」



同じアパートに住む学(まなぶ)と危うくぶつかりかけた。


…危ない危ない…。


学は同じ大学で照城とは顔見知り程度の仲だ。周りとの接触をなるべく避けている変わり者。いつも眼鏡を愛用し、独特の雰囲気がある…。


アパートが同じなので挨拶程度はする事にしている。



照城「おう。」


学「おう。」


すれ違い、学は階段を下りようとしていた。


照城「…ん?」


学は何故か女性物の帽子を握っていた。


照城(…なんであんな物持ってんだ?…。)



不思議に思い、首を傾げながら自分の部屋に入り、一直線でパソコンに向かった。
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