[短編]アスタラビスタ
…涼の気持ちが痛いほど伝わる。


私だって涼と離れたくない。
ずっと涼と一緒にいたい。


涼と別れることを考えると、胸が引き裂かれそうな思いになる…


…だけど、
このまま付き合ったとしても、私達はうまくは行かない。


きっと私、嫌な女になってしまう。涼にとって重い存在になってしまう。


だから、好きだからこそ別れると決めたのに…


涼の本音を聞くと、一瞬で揺らいでしまう。



「涼…」
「ごめん、ハル」



涼は私を放した。
少し、うつむき加減で。

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