茅〜最期の10ヶ月
第2外科病棟
304号室
[トントン]
「どうぞ!」
「泰樹?大丈夫‥?」
泰樹を見ると
いろんな所に
包帯を巻いて
痛々しかった
だからつい
泣いてしまった。
「茅?どうしたんだよ!!いきなり来ていきなり泣いて、お前こそ平気かよ!」
泰樹は思ったよりも
明るかったけど
どこか寂しげに
見えた……。
「……うん。大丈夫。それよりも‥。」
泰樹のケガは
思ったよりも
酷くて目の周りや
頬、口も少し膨らんだ
ように見えて、
足にはあたしみたいな
包帯とギブス、
腕にもギブスを
巻いていた‥。