茅〜最期の10ヶ月
「それよりも!平気なのか?そんなにケガして何があったんだ?」
泣いている
あたしの代わりに
叔父さんが
聞いてくれた。
「親父と買いもんの帰りに…事故に遭ったんすよ‥。」
「そうか…。それでお父さんは?」
「‥俺は、手術してなんとか…親父は‥俺をかばったのか‥俺に被さっていて即死だったそうです……。」
泰樹の瞳<め>には
涙が浮かんでた。
「そうか…お父さんは必死だったんだな、泰樹くんの為に。変な言い方かも知れないが、お父さんは泰樹くんを守り抜いて一生を遂げたんだから、幸せだったんじゃないかな?だから泰樹くんはそれを受け入れて強くならないと‥な。」
今にも泣き出しそう
になってるのに
我慢してる泰樹に‥
あたしは
「泰樹!我慢しないで泣いちゃいなよ?我慢したらもっともっと悲しくなっちゃうよ…。少しずつ受け入れてさ、強くなってさ、守ってくれた叔父さんの代わりに叔母さん守ってあげなきゃいけないんだから!スッキリするまで泣いちゃいなよ!」
「…ありがとうな!」
あたしはあまりにも
悲しそうな泰樹を
見ていて辛かった
けど、泰樹の
泣いてる姿を
見ていていつの
間にか励ましてた。