茅〜最期の10ヶ月
第2外科病棟
304号室
「泰樹‥。ごめん、遅くなって‥。」
「大丈夫‥か?」
「‥え?」
「なんか今日の茅さぁ、暗くないか?元気ないって言うか…。」
「ううん、全然元気!寝起きだから元気なく見えるだけだよ!」
元気なんかじゃ
なかった、でも
泰樹には言えなかった
他の男の事で
寝れなかったとか
悩んでるなんて…。
「そっか、ならいいけどさぁ悩んでんなら相談しろよ!!お前の事はなんでも知りたいし‥だから。」
不機嫌な表情で
怒ったように
あたしに言った。
「…ありがとう。ごめんね‥嘘ついた、あたし」やっぱり泰樹には
隠しきれない‥
「やっぱな、嘘ついてんのバレバレ!で?なんで嘘ついたんだよ!!」
泰樹は気付いてた
あたしの嘘に
だから正直に伝えた。
そうして
「そいつさぁ、お前に気があんだって!!じゃないと待っててくれる訳ねぇし怒んねーよ?」
「あたしに気がある?って好きって事?ないないありえないよ!!だって崇弥には彼女いるはずだしただの友達だし‥。」
「彼女って見たことあんのかよ!俺は、そいつがお前の事好きって絶対当たってるって思うけど?」