茅〜最期の10ヶ月
「はぁ、暇になっちゃったなぁ‥。」
そう言いながら
歩いていると
[ドンッ]「痛ってー!」
大きな物音と同時に
聞こえる声の方を
向くと崇弥が…「なんだよ。マジ痛いし!」
と壁に向かって
怒鳴っていた。
それを見たあたしは
思わずふきだした
「ぷはっ!!何やってんの?」
「見てたのかよ!!つーか久しぶりだな‥」
「だね。」
「3日ぶり?だよな!悪ぃこの間は」
「いいよ!!もう気にしてないから!」
「そっか。俺さぁ…。」
「ん?」
「今日、茅に謝りに行こうって思ってた!」
「うん」
「で‥」
「で?なに!??」
「その‥彼氏いるって言われたからさ、言うの止めようとしたんだけど。」
「……?」
「俺、茅の事好きなんだ‥ごめんいきなりで、ビックリしたよな?」
「‥うん、ビックリ‥。」
当たってた…。
泰樹が言ってた事。
「だよな‥、あのさ茅の気持ち分かってるから、ケジメっていうか、ちゃんと断ってもらってから自分の中で整理したくて‥俺の勝手でごめん」
「‥いや、そのなんであたしなの?」