茅〜最期の10ヶ月
あれから………
1ヶ月経ったけど
崇ちゃんが病室に
顔を見せる事はない…。
あたしは完全に
自分を見失い
日々の淋しさに
悩まされ‥
パパが来たあの日から
ほとんどの時間
1人で過ごしていた
朝起きてあたしはまず
ご飯を取りに行って
初めて気付いたんだ
「(あ‥)」
声が出なくなっていた
昨日まで普通に
話せてたのに…。
「どうしたの?」
看護師のお兄さんが
あたしに話かける
「(あの…)」やっぱり
この瞬間あたしの
目から涙が流れた
「大丈夫?どうした?」
いつも笑顔を絶やさない
看護師のお兄さんが
あたしの肩に手を乗せ
ひたすら「大丈夫か?」
とあたしをを揺らす。
何か言わなきゃって
思ったあたしは
必死の思いで
「……あ゙…。」
と言ったけど
あ゙を言うのに
こんなに苦しいなんて
思ってもなかった