茅〜最期の10ヶ月
最期の涙
あの日から
言われた通り
薬や食事は
点滴の毎日
もう1ヶ月と一週間
もすれば慣れてきた


この頃あたしは
喋ったりも出来ない
から文字盤を指して
ママやパパ
先生達と話していた




「茅?どうしたの?顔色変よ?」


あたしは文字盤を
指し
き・も・ち・わ・る・い
と表現する

するとママは
「気持ち悪いトコどこ?」


文字盤を指して
こ・き・ゅ・う・が・し・ん・ど・い


「タンが絡まってるのかしら‥先生呼ぶ?」


文字盤を指して
う・ん


ママはナースコールを
押して
「あの息が苦しいみたいなのですみません」

と呼びだしてくれた


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