心の友?
両親は川崎市の一等地で昼は喫茶として、夜は高級クラブとしての経営に携わっていた。欲しい物は何でも手に入り、行きたい所はほぼ行っていた、ただ忙しい父母はまれで、ほとんど祖母か友人の親に父がたんまりと充分なほどのお金を渡しての同伴だった。しかし、川崎生まれの俊輔は当時の工場による公害の影響もあったのか生まれながらに体が弱く小児喘息におかされていたのだった。当時、盛況だった店だったが母が不敏に思って、自分の出身地である宮城に天地療養のため移住する。
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