A cherry tree
『おはよう、小鳥さん。』

『わしより、早く起きてるなんてめずらしいな。』

『そうですか?』

『あのな、リーフ、実はわし北のほう移り住むことになったんや。ここにいつまでもいても前に進めない気がしてな。』

横にある葉っぱをくちばしで、小さくいじりながら言った。

『え!何時行くんですか!?』

『明日・・』

『早っ!なんでもっと早く言ってくれなかったんですか?』

『寂しくなるやん。』

『まぁ、そうですけど・・・。じゃあ気をつけて行ってきて下さいね。』

『はいよ。じゃあ、いろいろと用意があるんで、早めに行かせてもらいましょうかね。』

小鳥は羽を“パタパタ”と動かしながら言った。

『元気で。』

『リーフもな。』

小鳥は枝を力強く蹴って空に羽ばたいて行った。

リーフはあまりにも急すぎて何が何だか分からない部分もあるけど、小鳥らしくてちょっと可笑しな気持ちになった。

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