キミと太陽と飛行機雲
「いらないよ?」

彼女の先手を取って言う。
優しい友人の気遣いに甘えないことがサボる代償だと、妙なプライドを私は持っていた。

「ンな気にしなくていいのに」
「いや、無理。サボった上に真面目に出てる人のノートを写すなんて真似は無理。丁重に辞退する」

苦笑に「…そ」と短いひと言を添えて引っ込められたノート。未練げに追ってしまう私の目線。
本当は貸してもらいたいと私が思っていることを彼女は知っているし、私もムキになって隠しはしない。ただ、どう口説いても借りない天の邪鬼な私を彼女も私も知っている。
私という人間はいちいち面倒くさい上、ある意味素直ではない。
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