キミと太陽と飛行機雲
スカートの端と髪を押さえて見上げた空は、気象的に『快晴』と呼ばれる雲のなさで私達を見おろしていた。

「ねむい…」

むぐむぐと気怠げに呟き陽なたに寝転びながら、キミは参考書を広げる。隣に座り、私も単語帳を開いた。
そう。私達は何も、受験勉強を放棄しているわけではない。春も初めから、放課後に小さな教室へ押し込まれて窮屈で退屈な授業を受けるなんて好まないだけだ。
放課後くらい、やりたい日時にやりたい教科を勉強させてよ。
そんなサボリ理由はほとんどの教師に通用しないが。
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