キミと太陽と飛行機雲
あたたかい風が髪を撫でる。
屋上には、特別な空気があると思う。

「…ねぇ」
「ん?」
「今日は何してんの」
「地学」

へぇ、とどうでも良い風に相槌を返す。
単語帳を捲る。

「地学、好きなの?」

ツテでこの屋上の鍵を所持している私達以外は誰も来ない、ここの空気はどこかシンと冷えている気がする。
けれど肌寒いわけではなく、太陽の光と遠く聞こえる部活動の音が人のぬくもりを感じさせた。
< 8 / 28 >

この作品をシェア

pagetop