華〜生きる道〜
若者達が去り、セルリアが再び本を読もうと本を開いた時、聞きなれた幼なじみの声が聞こえた。

「おい、セラ!また本読んでんのかよ。」

「うわっ!ギル。」

ギルの本名は、ギルバート・ライアン・マイル。つまり、マイル夫妻の子供だ。

セルリアとは、兄弟のように育てられてきた。と言っても同い年なのだが。ちなみにセルリアの事をセラと呼ぶのは、この幼なじみのギルだけである。

「明日、成人の儀だって−のに全くお前は…。相変わらず本の虫かよ!お前準備はいいのかよ。明日着るドレスなくても知らね−ぞ。」

うわ、ちょっとギル怒ってる。
やばいかも…。

「普段着で行くからドレスは別に…「阿保かテメェは!普段着で成人の儀にでるやつがどこにいるんだよ!」

どうやら、完全に怒らせてしまったらしい…。

「ごめんなさい。許して下さい。ギル様〜。だって、私にドレスなんて似合わないよ。」

「眼鏡とればいいだろ。」

「眼鏡とったって何も変わんないよ。」

「………。相変わらず、お前は、自分事何もわかってねぇな。」

ギルは呆れた様子だ。

「わかってるよ!自分がブスなことくらい!」

「……………。」

さらに沈黙。

「とにかく、家のババァにテメェのこと「セルリアちゃんのドレス買いに行かないとって思ったんだけど、お家にはいなかったの。捜してきてくれる?。あっ!捜して来なかったら夕飯は抜きよ。じゃ、よろしくね〜ん。」て頼まれてんだよ。」

やばい。ギルの夕飯がかかってるんだから、ギルは本気だ。とにかく逃げよう。

「ギル…残念だけど…。」

一歩足を下げ、逃げる体制をとった。次の瞬間…。

がしっ。

「行かねぇとは言わせねぇぞ、こら。」

腕をつかまれました。

「私行かな…「行くよな?」

にこにこギルは笑ってます。
恐いよ。ギル…。

「行きます。」

「よし。」

結局、ドレスを買いに行くことになってしまいました。
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