くもりのち恋


1回目は入学式
一目惚れだった

目が合って、思わず「すきです」


って。勿論、「ばかにしてんの?」

って鼻で笑われた。


2回目と3回目は

高1のクリスマス前とバレンタイン。


2回とも「無理」で終わった




そして4回目は、
高2の夏休み前の今日


もう、これで最後にしようと決めている


「涼希、あたし行ってくるから!」



長森くんを探し回って

やっと見つけたけど、友達と話している




最後なんだから...



「な..長森くん!」


「ん?って、またお前かよ」

「あー!!この子、海斗に3回告白した子じゃん!また来たの〜?」


長森くんの隣には、かわいい女の子がいた



「あの..最後に、あの..すきです...」


ちゃんと言えたかなんて分からない


涙が溢れてきて
前も見えなかった



目を擦って

走って教室に戻った



「...涼希。なんでいんの?」


「別に..いいだろ!...ほら、帰るぞ!」



そう言って私を連れて歩き出した










私はこの左手に感じる温もりを


離したくないと思った


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