はつこい
「私ど、したら…」
「一応、真結は一般人だから雑誌に載る顔は見えづらくされてる。でも気付かれる可能性も否定出来ない。」
「もうすぐ、事務所の羽山さんが来るからさ、それから相談しよ?おれらもどうせここにはもう住めない。」


深刻な顔でテーブルに肘をつき、手を組んでおでこを叩く悠の向かいで
時々眉間に皺を寄せながら
伸びをしたり首を回したりしている。

―ピンポーン

沈黙を破るチャイムの音。

「羽山さんかな?俺出るよ」


悠がすっとインターホンに向かった。


「遼?…私居ても大丈夫かな?」
「ふふ、真結も撮られてるってこと忘れたの?居たほうが話がラクだよ。」

「わかった。」
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