雪がとけたら
……………
「ねぇ雪ちゃん。」
「ん?」
「運命って、決められてると思う?」
「…なんで?」
「運命は自分で切り開くものだっていうじゃない?でももし決められてるものなんだったら、切り開く必要なんかないじゃん。矛盾してると思うから。」
「俺は決められてると思うな」
「何で?」
「ある程度の運命は、決まってると思う。人にはどうしても逆らえない運命ってあると思うから。でもその範囲の中でなら、人はいくらでも運命を切り開けると思うよ。それは多分、自分次第なんじゃないかな。」
「…よくわかんないや」
「決められてる、いくつかの運命の扉を開くか開かないかは、自分で決められるってこと。」
「それが…運命を自分で切り開くってこと?」
「俺の持論だけどね。」
「雪ちゃんの持論かぁ~。あてになるの?」
「なんだよそれっ」
「あははっ!…じゃああたしは開けたんだね。」
「何を?」
「あたしと雪ちゃんの、運命の扉」
……………