雪がとけたら
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すっかり暗くなった帰り道、僕等は手を繋いでゆっくり歩いた。
二人で同じ場所に帰るのは久しぶりで、何かと理由をつけながら遠回りをする。
冬の夜は寒かったけど、それでもこの時間がもっと長く続けばいいと思った。
「また行こうね」とあいつが言うから、「次は悟子の誕生日祝いでな」と僕は答える。
嬉しそうに笑うあいつを見ながら、僕はあいつの笑顔が一番好きだと実感した。
いつまでも、見ていたいと思った。
とても、幸せだと思った。
…幸せな1日。
今でも記憶から消えない1日。
僕等の、最後のデート。
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