雪がとけたら



……………


「いたか!?」
「駄目だ、いない!」


ナァが叔父さんに連絡し、地元の捜索隊が出動された。

僕達も出来る限り探すが、彩架ちゃんの姿は見えない。

彩架ちゃんが姿を消してから、ゆうに三時間は過ぎていた。



「まいったな、風が出てきた」


捜索隊の人達が呟く。

夜から天気が崩れるらしく、既に風が出てきていた。


風が雪を舞わせ、視界が遮られる。




コテージの前で母親は泣きながら娘の無事を祈り、側にナァ達がついていた。


その姿を見ながら、胸が苦しくなるのがわかる。



「とにかく、吹雪くまでは捜索を続けよう。まだ時間はある」

彼等は時間を確認し、再び山に向かった。父親も後に続く。


僕達はコテージの前に集まった。


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