雪がとけたら


……………


僕達は清水寺の他にも、金閣寺や銀閣寺、二条城や嵐山など、京都の様々な名所を回った。

場所を京都だけにしてあったので、二泊三日で沢山の名所を回れた。

僕の行きたいと言っていたUSJに行っていたら、ここまで沢山は行けなかっただろう。


二日目、僕達は京都最後の夜を迎えた。





…「雪、好きな奴いる?」


…お約束の話題。

消灯時間が過ぎても勿論みんな起きていて、布団の中から頭だけ出して話していた。

話題は勿論恋の話。

修学旅行の最後の夜には付き物だろう。


「ばっか、雪には戸田がいるだろぉ?」

井上が、質問した上田の頭をパシンと叩いた。

ヒューという冷やかしがあちこちから聞こえ、僕は急いで叫ぶ。

「うっせぇな!悟子とはそんなんじゃねぇよ!」
「隠すことないじゃん!あの戸田と噂されるんだから、ありがたく思えよなぁ。」

井上の一言に、冷やかしは頷きへと変わった。

前にも言ったけど、あいつはもてる。
そこらの女子とは雰囲気が違う。

僕の立場を羨ましがってる男子は、ここにいるだけでも半数以上だろう。

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