LOVE★work
そんな思いを知ってか、カメラマンが話しかけてきた。
「恭介君、隣りは気にせずに。
いつも通りに、自分らしく、ね?」
いつも通りに、自分らしく……。
「…はい」
肩の荷が下りた気分だ。
「じゃ、始めるよ」
「お願いします」
ただ俺は、カメラの前に立って、ポーズを決める。
そんな事が、そんな動作が
俺は好きだ。
そう考えると、隣りのスタジオの事なんて忘れていた。
「何か恭介君、生き生きしてるね」
「そうですか?
いつも通りですよ」
「じゃ、このまま続けるよ~」
俺はもう1度、カメラの前に立った。
――この光景を、
俺を"世界一"が見ていたと知らずに……。