む☆げん愛
『すんませーん。』
亮ちゃんがニッコリしながら帰ってきた。
続いてけいちゃん。
けいちゃんの手は亮ちゃんにしっかりと握られていた。
『愛音〜!ひとりにしてごめんねぇ!!』
私はブンブンと首を振った。
『先生!私びっくりしちゃって……
でもやっぱり産みたいんで、よろしくお願いします』
(よかった……)
重たかった気持ちが吹っ飛んでいった。
いつものけいちゃんの顔だ!
『そうですか。
では、椅子にかけてください。これからのことをお話しましょう』
お医者さんスマイルの早坂さん??
(みんな、切り替え早すぎだよ……)
周りのペースについていけない私は黙って
話を一緒に聞いているフリをした。
私の気持ちは、早坂さんと2人で話したときで止まったままだった。