む☆げん愛


あまりに患者が多い産婦人科の待ち合い室は
座席が足りなくて、待ち合い室をでた前の通路にも席が設けられていた。






私たちがそこに座っていたからバレたんだ……





「けいちゃん、不正出血がでてね。何だろうって……一緒に行ったんだよ!
やっぱりプライバシーだし、お母さんに言ったらダメかなーと思ったの。
図書館行くなんてウソ言ってごめんね。」







私はペラペラとウソをまくしたてた。






『うそおっしゃい!
男の子も一緒にいたじゃない?けいちゃんの彼氏?
髪は真っ黄色だし、ずいぶんとだらしない格好をしてたわね。
どーせ、妊娠でもさせられたんでしょ!?』





カッと頭に血がのぼった。




『亮ちゃんは見た目はあんなだけど、けいちゃんのこと一途にずっと想ってるし、優しいし、仕事はできるし、頼りにされてるし、すごくいい人なんだから!
お母さんが思ってるような人じゃないよ!!!』





早口でまくしたてた。





『けいちゃん…妊娠してるんでしょ?』





「…………。」






答えれない。けいちゃんが自分の親にも伝えていないことを私が軽々しく口にするわけにいかない。





『まぁいいわ。
しかし、けいちゃんもけいちゃんよね?』





(……?????)




『頭いいのに、あんな彼氏じゃなくたって……
学校にもっと相応の人がいたはずだわ。
でも愛音ちゃんは今は大事なときなんだから!
内心に響かないように、もうあまり関わらないほうがいいわ。』







(……はっ??)





私は思い出していた……






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