む☆げん愛


「おっ…お母さんが……」





そう言いかけてわたしはハッと口をつぐんだ。





いったい何を言ってるんだろう。






お母さんとのケンカが原因で家出してこんなに泣いてたなんて……






……あまりに幼稚すぎて言えない!!






『お母さんが……なんだ?』





腕組みしながら眉をしかめている運命の人。






「もう、いいです…ハハハ…
わたし家に帰ります。
なんか、すみません…」






サッと立ち上がる。






『おい!』





低く小さな声と共に
右腕をガシッと掴まれ引っ張られる。





イテテテテテ……
おしりを軽くうった。





その力強さに抵抗できるわけもなく、元の場所に座りなおす格好になってしまったわたし……。






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