む☆げん愛


――…―――…―――…――――…―――………―――……―――



亮と晩ごはんを食べながらひとしきり話をして
送ってもらって
家に着いた頃には辺りは真っ暗だった






玄関の鍵をガチャッと開けて




電気をパチッ……パチッ……と手際よくつけていく





正面玄関灯…玄関灯…廊下…リビング……





シーンと静まりかえった家




私の両親は教師をしている




お母さんは小学校で

お父さんは中学校






家に帰ると誰もいない





いつものこと






二年前に家事を一手に引き受けてくれていたお婆ちゃんが亡くなってからは






私が朝でるときに鍵を閉めて、帰ってきたら鍵を開けて電気をつける








これが日課になった






2人のお兄ちゃんとは、
10歳も年が離れていて、2人とも独立して一人暮らしをしているから







今は3人暮らし……







と言っても、両親と顔を合わせるのは朝少しの時間だけ







夕飯はいつも適当に作ったり亮と食べたりしている







娘はこんな生活をしているのに、学校ではきっと……

生徒たちに規則正しい生活をおくるように指導しているのだろう







でも、
こんな矛盾に疑問を抱きながらも両親のことは尊敬している








うちの親は何でも願いを聞いてくれる







きっと私が万が一、学校を辞めてフリーターになる!と言っても許してくれるだろう







それは甘やかしとかそんなんじゃない…






自分たちの体裁とか願いよりも、私の考え方を尊重してくれているんだ……






< 149 / 411 >

この作品をシェア

pagetop