む☆げん愛
『…――。
何だかずいぶんとおしゃれして…
いったいどこに行くつもりなの?』
「えっ!?あっ、その…
家庭教師の…先生んちに…
決まって……
るでしょ?ハハ…ハハ……」
絶対にやばい!
目が泳いでいたと思う…
お母さんが、不可解な顔でのぞきこんでくる
『もー!ねーちゃん!
忘れてたぞ!?』
ボスッと両手に渡された白いスポーツバッグ
ズシッと重みを感じる……
「なっ?…これ…?」
『2階のトイレ前に置いてあったぞ?
トイレ行って、うっかりカバンのこと忘れてんなよな?』
これは優成がだしてくれた助け船だということに
やっと気がついた私……
「…あはっ。
そっか…。
わっ、忘れてたのかぁ…
あっ…ありがとう優成!」
「じゃあ!いってきまーす!」
とにかくこの場は早く離れよう!!