む☆げん愛


私ったら……





早坂さんよりも先に到着して駅のコインロッカーにスポーツバッグを隠しておくつもりだったのに……








「ちょっと、いろいろありまして……へへ…。
何だかずいぶんと早くないですか?」








駅の時計台を見ると
待ち合わせた時間にはまだ20分もある








『…あぁー……。
まぁ、夜だし…
おまえ女だし、未成年だし。一応早いめに…なっ!?』








…――ドッキィン――…







私が誘ったのに…
先に待っててくれたんだ





嬉しすぎて言葉にならない




『おまえ…
その荷物まさか!
また家出じゃないだろうな!?』







「ちっ…
違いますよぉぉ。」






私はいきさつを話した




…――…
……――……
………―――………





『ふぅーん…。
て、ことはオレ…
娘にウソつかせてるサイテーヤローだな。』






「そっそんな!

早坂さんは悪くないです。

私が正直に言えばいいことなんですけど…

それを正直に話したところでお母さんはきっと心配します。

それなら黙っておくほうがいいと思って…」






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