む☆げん愛
「よく来るんですか?」
『あー、昔な。
最近は来たことねぇなぁ…』
「お仕事…
忙しいんですか?」
『まぁ…な…。』
早坂さんがそう言いかけたとき
『おーいっ!
久しぶりじゃないか!?』
コックさんらしき
あご髭を生やしたおじさんが話しかけてきた
『マスター…
お久しぶりです。
相変わらず盛況ですね?』
「おー、おかげでなぁ。」
マスターなんだ。
知り合い?
『店の雰囲気も全く変わらないですね』
「まぁ、そーなんだけど…
変わったことと言えば、
あのピアノがただの飾りになってしまっていることかな…」
マスターは寂しそうな顔をした
『 『 マスター!! 』 』
店の奥から大きな声がした
「おー、わるいわるい!
じゃ、ゆっくりしていってくれよ?」
そう言うと、マスターは忙しそうに店の奥に消えて行った
「ピアノって…
あそこに置いてある、グランドピアノのことですか?」
『あー…。
そうだな…。』
そう呟くと、どこか遠くをみるような目つきの早坂さん