む☆げん愛
*早坂先生の気持ち*
***早坂先生side***
「早坂さん!
私頑張りますらから!」
『は!?何を?』
あいつは俺と目も合わせずに立ち上がる
店員に耳打ちする
あんなに目を輝かせて
何張り切ってんだ?
店の奥から戻ってきた店員に頭をさげると
…………!!!!!!!
ぎこちない足取りで向かった先は店の中央にあるピアノ
椅子に座って
深呼吸をしている
おい…
ピアノを弾くんだろうけど震えてるぞ!?
大丈夫か?あいつ……
しなやかな指先が鍵盤に置かれ、
演奏が始まる
゚。。゚゚♪゚。。゚♪゚゚。。゚♪゚゚。。゚♪゚゚。。♪゚゚゚。♪。゚゚
店中の客、店員の視線があいつに降り注ぐ
さっきまで震えていた感じとは違って
まっすぐ前を見据えて演奏するあいつ
まるで別人だ…
ショパンか…
あんなに小さいカラダで
よくこんなに力強い音が出せるな
でも、あいつらしい音。
キレよく、鍵盤の上をピョンピョンと指が跳ねるような音
元気な子どもがピョンピョンとジャンプしてるみたいだ