む☆げん愛



〈105〉


―ガラリ―








頭には包帯が巻かれ、呼吸器を装着された見るもイタイタしい姿のあの人








モニターの波と心拍数が生きていることを伝えている







なんで……







どうして………







『先生?』






担当のナースが入ってきた





『ねぇ?
この人はどうしたの?』








『あー…。お知り合いなんですか?

この患者さんは先ほど救急でやってきました。

多量のアルコールと薬を服用したみたいなんです。

意識が朦朧としてきたころに頭をうって気を失ったんだろうということです…

発見されたときの状況から
恐らく自ら…
それを望んだんだろうと…』






『経過はどうなの?』






『一命はとりとめました。
だけど…

打ちどころが悪かったのか、まだお目覚めにならなくて……』








『そっか…。
わかった。ありがとう…』





頭がイタイ…






俺のせいだ…






くそーっ!!!!






力いっぱい拳を床に叩きつけた……―








―end―





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