む☆げん愛
「でもサキさんは早坂さんと付き合って…」
『そうだ。
だから初めはマスターも冗談でサキのことからかってるんだと思ってた…』
「何か…あったんですか?」
『………………。』
俯く早坂さん…―。
『見たんだ…
店の休憩室でマスターとサキがカラダを重ねてるところを……―。
俺タイミング悪すぎだろ?
カッコ悪いよ…まったく…』
「そ…そんな…。
早坂さんは全然かっこ悪くないですよ!!
そんなことしてる2人の方がかっこ悪い……」
『ふっ…。
カッコ悪いついでに、もうどーでもいいや!
って思って2人の前に飛び出したんだ……。
そしたら…
2人して土下座して俺に謝るんだ…。
俺ますますカッコ悪いし惨めになって、“好きにしろ!”ってその場を飛び出したんだ…
俺も若かったしな…』
「別れた理由って…
それですか?」
『そうだな。それで別れときゃ良かったのに…
俺も意地になってたんだと思う。
マスターが可哀そうで見てられなかった…って泣いて謝るサキを許しちまった…』