む☆げん愛
『特には…
なにも変わってないです…』
『そうですか。
モニター見てもお腹の張りもきてないようですし、
このままウテメリンを飲んで頑張りましょう!』
丁寧に一礼して去る早坂さん
……………。
あの日から私たちの関係は微妙におかしい…
サキさんのことを告げたあの夜から…
家庭教師は早坂さんの都合でずっとお休みのままだし…
今だって…
私には目もくれずに去っていく早坂さん
ほんとうは…
毎日けいちゃんの病室に通いながら
少しだけ期待しているんだ…
“研究室にきて”って言われるのを…
でも、
今の私たちにそれはナイね…
きっと
許してもらえなかったんだ…
そうだよね…
私がもう少し早くにサキさんのことを伝えていれば、
マスターがこんなことにならなかったのにね…
一度だけ
マスターの病室に行った。
装置をつけられ、眠り続けていたマスター…
救急で運ばれてきた日からずっと…―。