む☆げん愛




『着いたよ!』






ハァハァ…。

相当歩いた…

3駅ぶんくらいは余裕で歩いたよ……?

息を整えながら見上げる









「ここがどーかしたの?」







あまり大きくないビルの一階部分は改装中?みたいで工事の人たちが忙しそうに働いている








『なんだと思う?』







「うーん…。
そんなに大きくないし…

何だろう?わかんない。」









『ここにはね…

もうすぐ
“ジョン・カールの絵画展”ができるんだよ?』








「きゃー!!!!!

えぇっ!?ホント??

絶対…行きたい!!」








大好きな絵本作家
“ジョン・カール”

コラージュという技法をもとに、光や音といったしかけを取り入れる独特の作風から“絵本の魔術師”と呼ばれている






初期の作品から大ファンなのだ…






でも、なんで吉井君がそのこと知って…?








『やっぱり…

いつも図書館で絵本読んでたでしょ?

絵本コーナーで…

俺、知ってたよ?

愛音ちゃんのことずっと…
3年になってクラスが同じになって、あっ…この子…って。』










「そう…だったんだ。
私は気付かなかったな…

恥ずかしいよね、この歳になって絵本が好きだなんて…。」









『そんなことないよ!

絵本てさ、大事なことを伝えてるんだよ…

子どもたちにわかりやすいようにね。

だけど大人になったって、忘れちゃいけない大事なことなんだ!

それを分かってる愛音ちゃんはすごいよ!!』









「そっ//そんなふうに言ってもらったら…

嬉しいな。

でも…“ジョン・カール”ってそんなに有名?
よく知ってるね?」





< 294 / 411 >

この作品をシェア

pagetop