む☆げん愛
―ドク。ドク。ドク。―
いったい何を告げられるというのか。
極度の緊張は呼吸をすることすら苦しくさせる。
『愛音ちゃん…兄さんの言ったことは本当なんだ』
サーッと全身から血の気が引く。
頭がクラクラしてきた…―。
『愛音ちゃんと図書館であった日、俺は兄さんからこう言われてたんだ。
“俺が電話をかけたときに一番そばにいる女に告白しろ。
そうして誰かと付き合うまでこのゲームは終わらない”って。』
「それが、罰ゲーム?」
『うん、そうだよ』
「ひどい……どうしてそんな……―。」
『俺はね、兄さんにとてもひどいことをしたんだ。
裏切った。
だから、兄さんがそれで少しでも気が晴れるなら。
当然の報いだと思って、軽い気持ちで承諾したんだ。
相手の人には悪いけど、すぐに何かきちんとした理由をつけて別れたらいいって…』
吉井君の、まっすぐな瞳を見ることができなくなった。
私は頭をかかえこむ。
それでもなお、吉井君の告白は続けられた…