む☆げん愛
『…で、あいつが俺の事、女恐怖症だって?
会うなって?
…―ハッハッハッ…』
お腹を抱えて‘おもしれー’と大笑いするおにいさん。
「笑いすぎです。
私、からかわれていたんですね」
『ちがう、ちがう。守られてたの!』
「へっ??」
『俺、女に関しては見境ないから……なんちゃって。
でも
あいつの女ってわかった時点で君は対象外。
なんだぁ、い〜ことしようと思ってたのに…残念』
「ヒッ//ヒド…何もしないって、興味ないって…」
『そんなの嘘に決まってんじゃん!男あまく見るなよ〜。
いや〜、でも…おもしろいこと聞いちゃったなぁ。あいつがなぁ……必死だな』
イタズラにクイッと口角を上げるお兄さん。
「えっ?なにが必死、なんですか?」
『なんでもないよ、そのうちわかる。』
「はぁ・・・」
『じゃ、君はうちの弟とは何もなかったんだ』
ズキン…
「はい……私が優柔不断な態度だからいけなかったんです」
アゴをさすりながらしばらく考え込むお兄さん。
『そうだね……
まっ、俺としては…
‘ざまーみろ!’って感じ、だけどね』
あっ、あの目だ。
寂しい目。
どうして吉井君を見る目はこう、なんだろう……―。