む☆げん愛


「私ね、慌てて家を出てきたの…そしたらね、
ノートもペンも、何も持ってきてなかった…」





吉井君は少し考えてからこう答えた。





『じゃあ今日は勉強はやめよう。』





「えっ!いいよ。私、本借りて帰るよ。勉強の邪魔しちゃわるいし…」





『だめっ!』





吉井君の大きな声が資料室いっぱいにこだまする。





「ど、どうして…?」





『いや、ごめ、ん…大声だして。でもごめん!帰らないで!』





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