む☆げん愛
*新たナ日常*
新しい学期が始まった。
相変わらず、山岡さんたちにもまだ気を遣ってしまうけど、少しの変化はあった。
昼食メンバーの名前を覚えた。
‘愛音ちゃん’て呼んでもらえるようになった。
わたしから誘わなくても誘ってもらえるようになった。
これもみんなきっと、早坂さんが勇気を与えてくれているから。
毎晩とはいかないけど、空き時間には電話やメールをくれるようになった。
他愛もないこと。
だけど、そのほとんどが学校での私を気にかけてくれていた。
わたしが友だち関係で悩んでいることを話したから。
頑張れなんて言わない。
ただ私の思いを聞いてくれるだけ。
それだけで肩の荷がスッと下りる。
気負いすぎたんだ。
わたしはどれほど早坂さんに助けられるんだろう…。
どんどん好きになっていく自分がこわい…――。