む☆げん愛
その日の夜、わたしは早坂さんに電話をかけた。
「……お兄さんに背中を押してもらえたら、勇気が出るんじゃないかな?
って思うんです。
お兄さんのこと大好きだから、裏切ってしまった自分に自信がもてないんじゃないかな。
認めてもらいたくて罰ゲームとかもノッたんじゃないかな」
早坂さんは、初めのうちは“関わるな!!ほっとけ!!”って怒っていたけど、最後には、ハルに話してみる、と言ってくれた。
おせっかいなのは分かってる。
だけど、吉井君を助けてあげたい。
心を軽くしてあげたい。
わたしが早坂さんにしてもらったように……――。
わたしと吉井君は似たもの同士だったんだ。
弱さを抱えた似たもの同士。
だれかに認めてもらいたくて、自信につながる源を探してたんだ……―――。