む☆げん愛
ナースステーションに帰った俺を待っていたのは、あきらかに含み笑いしながら仕事をこなしている仲間たち。
『早坂先生、どーしたの?
何か問題でも?』
そう言って声をかけてきたのは中谷さん。
「別に…なんもないっす」
そう言った瞬間、ナースステーション中が笑いに包まれた。
“いやぁ、早坂君、明日はヒョウが降るな”
“早坂さん、急にどーしちゃったんですか?”
“良い医者になったんっすね〜”
“術後のメンタルケアまで”
“治療以外興味なかったんじゃ…”
みんなここぞとばかりに好き勝手言ってやがる。
職場でこんな風に扱われたのなんて、初めてだ。
愛音と出会ってから、自分も知らない自分ばかり見ている気がする。
しかも、かっこわるい。
でも、きっとこれがホントの俺。