む☆げん愛
《第5章》〜再会〜
*再会*
‘愛音’てよんでもらえるようになった。
いまだに慣れなくて、呼ばれるたびに耳がくすぐったい。
だけど、早坂さんは名前を教えてくれない。
恥ずかしいから…って。
どういうこと?
早坂さんの家庭教師はずっとお休みのままだ。
2人きりになるのはまずいだろ?って言う早坂さん。
わたしは別にいいのに……
そんなある日、早坂さんがデート?に誘ってくれた。
“どっかいきたいとこある?”って聞かれたときは心臓がとびでそうなほど驚いた。
そんなのどこだっていいに決まってる。
昼間に待ち合わせするなんて、本物のデートみたい。
ウキウキで白いシフォンワンピにピンクベージュのカーデを羽織ってパンプスを履く。
少し大人びた服装。
髪はゆるく結んで少しカジュアル感を出してみた。
好きな人をおもいながら服装を考えている自分が好き。
自分を好きと思えるこの時間が好き。
早坂さんが与えてくれる宝物の時間。
早坂さんが与えてくれるものは私にとって、全てが初めてなもので、キラキラと輝いている。