む☆げん愛



自転車が止まったのは、見慣れたマンション。







『入って』






………
………………
…………………





玄関から足を踏み入れようとしない私を怪訝そうに見る早坂さん。







『どうした?』






「サキさんとは……
会えたんですか?」






『それはあと。

まずカラダふけよ。

上がってシャワーしろ』






「やだ、もう待てない。


さっきから…そればっかりが気になって、
気になって、気になって……」







早坂さんのあの切なそうな顔が頭に焼きついてはなれない。






もしかしたら私たちは終わりじゃないかって決めつけてる。






『ガキじゃねーんだから!

カラダのこと考えろ!


風邪ひいたらどーすんだ』






困惑した表情でわたしを見る早坂さん。






「ガキです。

自分の気持ちをコントロールするなんて難しいです。

わたしの頭の中は、サキさんと会えたのか?


どんな話をしたのか?


久々に会ってどうだったか?


どうしてあんなに切ない顔して帰ってきたのか?


わたしたちはどうなっちゃうのか?


わたしはまだ早坂さんを好きでいてもいいのか?


そんなことでいっぱいいっぱいなんだから……。


自分のカラダのこと心配してる余裕なんてないんです!!」





言っちゃった……―。






一瞬、にらまれた気がした。






怒った……よね?






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