む☆げん愛
…………。
『じゃあ、俺の頭ん中…
教えてやるよ』
低く小さな声。
「えっ…?」
『……愛音は今日1日どんな思いで過ごしたんだろう。
どっかで1人で泣いてなかったか。
ちゃんと飯は食えたか。
俺に嫌気がさしてないか。
雨に濡れて風邪ひかないか。
また泣かせちまった、チクショー。
狂ってしまいそうになるくらい、おまえでいっぱいなんだ』
時間がとまる。
『好きだ』
私たちの距離はあっという間に縮まって、早坂さんの力強い腕に抱きすくめられている私。
うそ……
今、好きって……
冷えたカラダにまとわりつく衣類の上から、温かい体温が伝わってくる。
私も……って言葉は、
抱き込まれた広い胸にふさがれて言えそうにない。