む☆げん愛
『サキに会ったよ。
謝った。
意地になってたこと…。
2人ともわかってたんだ。
俺たちの関係は、サキがマスターと関係をもった時点で終わってた。
一度あったことをナシにできるほど、俺は我慢強くも良い男でもない。
でも、なんでかな。
サキと話してるのに、愛音の顔ばっかり浮かんでくるんだ。
何してっかな?
心配してねーかな?
どっかで泣いてねーかな?って…。
会いたくてたまらなくなった。
切ないほどに会いたいんだ。
図書館で愛音を見つけたとき、好きなんて言葉じゃ説明しきれねーって思った。』
耳元でささやかれる甘い告白。
気がついたら、広い背中に腕をまわしていた。
『俺には愛音が必要なんだ。
愛音がいたから過去とも向き合えた。
愛音の前でだけ自分らしくいられるんだ。
ずっとそばにいて欲しい』
アゴをクイッと引き上げられて重なる唇。
重なった唇が熱っぽく感じるのは、冷えたカラダのせい?
『ずっとキスしたかった』
唇がはなれると降ってくる甘いことば。
ぼうっとする。
「はっ…早坂しゃん……
夢、みたい……嬉しい///。
好き//。
うんん。
好きなんかより、もっともっと……」
また唇をふさがれた。
今度はさっきよりも少し長いキスだった……――。