む☆げん愛
『では、問は5問あります。答えてね』
(問題形式…?)
私がコクンと頷くと問題が始まった。
『問①、絵本が好きなの?』
「うん。短い一冊の中に作者の子どもたちへの思いが詰まってて、なんか感動するん…だ…。」
(こんな感じで良いのかな??)
『問②今日はどうして慌てて家を出てきたの?』
(チクン…)一瞬お母さんの顔がよぎった。
「今朝の三者面談で志望大学が厳しいって言われちゃって…勉強しなきゃ!って思ったら家を飛び出してたの…」
『問③俺は愛音ちゃんの顔が見たいんだけど…こっち向いてくれないの?』
「ふぇっ////????」
変な声をあげてしまった。
私はきっと耳まで赤くなっているだろう!!!
窓と対面していた私は思い切って吉井君のいる方へ回れ右をする。
大股気味で座っている吉井君の足と私の膝の距離は、
互いに遠慮しなければ触れ合ってしまいそうな距離だ。