む☆げん愛
『昨日の返事はまた今度でいいよ……
今日は花戸についててあげて』
(もうダメかもしれないな。ハァ……)
「うん。ありがとう………
吉井君、いっぱい本当にありがとう。
たくさん助けてもらったね。
すごく頼りになったよ。
吉井君は優しいね。
強いね。
私も吉井君みたいに強くなりたいな……。」
涙をいっぱい溜めてうるうるしながらニコやかに言ってくる。
(それ、反則……)
俺が優しい??強い??
『なに、言ってるん…だよ……』
(わかってないよ。俺のコト……
でも、愛音ちゃんがそんな風に思っていてくれるなら、
いつかそんな男になれる気がする)
「私、授業に戻るね!!!
吉井君はどーする??」
『俺はちょっと休んでから行くよ』
「そっか。じゃあ、またあとで…!」
走り去る後ろ姿を見ながら愛しさがこみあげてくる。
(ごめん愛音ちゃん……
俺、また君を傷つけてしまう。
でも、君以外には考えられないから。
もう少しだけ……
俺の嘘に付き合ってね……)
***吉井君side***
―END―