む☆げん愛


私は何を考えるわけでもなく、
椅子にもたれかかったまま
時間が過ぎるのを待った。




気がついたときには、目の前の小さな時計は6時をさしていた。





はぁ…勉強、またできなかったな。






そんな自分に罪悪感を感じる。

と同時に、やばい!と、焦燥感…





携帯電話と財布を小さなピンクのバッグに押しこむと、部屋を出て、玄関に向かった。





「お母さん、図書館行ってくるね!」





そう叫ぶと勢いよく外へ出た。




外は昼間の暖かさはなくて、少し肌寒かった。





しかし、夕焼けを背に浴びて歩いていると、
とても心地よくて、不安定な気持ちも洗ってくれるようだった。







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