枕の気持ち
現実
おじいさん、おばあさんが亡くなった後から、さきちゃんはほんとの苦痛を味わったみたい…。

上のお兄ちゃんやお姉ちゃんは現実をわかっているし、下の妹はまだ幼さ過ぎて全く現実はわかっていない。さきちゃんはその中間…そこから今一人ぼっちの気がして毎晩寂しい涙を流してたのね…。枕は涙を吸うしか出来ないの。その時のさきちゃんの担当の枕さんも、幼い子供の涙を毎晩吸い続けるなんて…私には無理よ。

終わりのわからない悲しい日々の中、お父さんの突然の再婚

小学校の高学年…複雑だったけど、さきちゃんはお母さんに甘えられなかった分、少し嬉しかった。

でもその嬉しさは一瞬だった…。どうしても「おばさん」としか呼べなかった…。
連れ子が居る家庭に入って来たおばさん…本気で甘える事は出来なかった。

おばさんもヒステリーをお越しては、下の二人に当たる…暴力なんて当たり前の毎日…中学生になって、さきちゃんは産みの母親を憎むようになった。

でも心の何処かで突然迎えに来てくれる事も願ってた。

現実は現実…普通にみんなが通る反抗期も上手く乗り越えられなかったのね…

中学生のさきちゃんは夜中こっそり家を抜け出す遊びを覚えたの…。何が悪くて何が良いかの判断なんて出来る状態じゃなかった。
家でおばさんに殴られても、その気持ちをぶつける先がわからなかったのね。

お父さんも何も言ってくれない…大きくなった上の二人は自立…残った下の二人は、悪い事をするしか捌け口がなかった…。

でもそれもおしまい。
とうとう警察にお世話になってしまった…捕まった事よりおばさんが怖かった。家庭裁判所の判決でなんとか少年院行きは免れた…。

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